冬 – oto 2023


冬、雪が積もると音が吸収されていく。
沈黙の音のなか耳を澄ますと、雑音が消え聴きたかった音が強調されて聞こえるような気がする。
風の音、波の音、滝の音。
2023年の冬、一生に一度は見てみたかった冬景色・風物詩を求めて、走り回った。
−−− ジュエリー・アイス −−−
−−− アイス・バブル −−−
−−− タウシュベツ川橋梁 −−−
−−− シラスウナギ漁 −−−
どれも忘れられない撮影になった。

流れる時間・止まった時間
滝の飛沫により時間をかけてできあがる垂氷(たるひ)。
一方で水は激しく流れ、一方で水は氷となって止まる。
ファインダーをのぞいていると不思議な時間が流れる。
玉響(たまゆら)
珍しく雪が降り積もった「るり渓」の奥部。
垂氷(たるひ)から滴る落ちる水が岩で凍り、ティアラのような美しい氷に成長していた。
ターコイズ・ブルーの幻影
一度は見てみたかったジュエリー・アイス。夕方と早朝の2回、十勝川河口の大津海岸に見に行った。
温暖化の影響なのか、打ち上げられる氷は非常に少なくなってきていると聞くが、十勝川でゆっくり凍った氷は空気が入らず透明で、夕日や朝日の光を受けて美しく輝くさまは、まさしくジュエリーと呼ぶにふさわしい氷である。
今度は、多くのジュエリー・アイスが打ち上げられる風景を見に行きたい。
氷光玲瓏(ひょうこうれいろう)
厳寒の早朝、−20℃のなか十勝川河口の大津海岸に車を走らせた。
空は晴れていたが、波が荒く「け嵐」が発生していた。朝日に輝くジュエリー・アイスが美しい。
ハルニレの木の朝
曇り空の朝、大津海岸の日の出をあきらめて、ハルニレの木の撮りに行く。
薄雲の中から太陽が顔を出した。
崩れゆく鉄路の記憶
厳冬の厳しい環境に佇む旧国鉄士幌線のタウシュベツ川橋梁。
この時期、水力発電により固く凍りついた湖面が低下するなか、橋梁に覆い被さった分厚い氷が橋梁を削っていく。
通常のコンクリートの50倍ほどのスピードで劣化が進むといわれる環境に身を置かないと、この厳しさは想像できないかもしれない。
糠平の泡影(ほうよう)
十勝地域の糠平湖。水力発電のために造られた糠平ダムによるダム湖である。
湖底に沈んだ樹木や枯葉から湧き出たガスが湖面に上がる途中で氷に閉じ込められてバブルのように凍った氷の芸術。
氷が厚く張り、その上に雪が積もる前が最も幻想的な光景になるようだが、今回は積もった雪をかき分けその一部を見ることができた。
光と影の戯れ
美しい雪景色を求めて、美瑛町瑠辺蘂地域を走り回った。
一本の木の周りに小動物が影を置いていった。
 
漁夜愁光
徳島県・吉野川河口で12月から4月にかけて行われるシラスウナギ漁。近年は不漁が続いていると聞く。
新聞やネットに掲載されており、一度は見てみたかった光景であったが、真夜中の川に電球を照らして行う漁は、船によって電球色が異なり幻想的で美しい。
船の動きが速く、橋の上からの撮影のため車の振動もあり、手持ち撮影には大変苦労した。
 
春を告げる
連続テレビ小説「らんまん」で、主人公の万太郎が母の好きな花「バイカオウレン」と間違った花「セツブンソウ」。
名前のとおり節分のころに花をつける。春を告げる花といわれているそうだ。
群生している丹波市青垣町では、地元の人たちが大切に守り育てている。
神逸気旺(しんいつきおう)
日本の滝百選に選ばれている猿尾滝。
あたかも修行僧が滝に打たれて修行しているような光景を見ると、「神頼みをするのではなく、気力をもって事に当たれ」という勝海舟の厳しい戒めが聞こえてくるような気がする。
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