旅と撮影

美ヶ原高原の冬を楽しむ

12月11〜13日、美ヶ原・王ヶ頭ホテルに宿泊して冬景色の撮影を楽しんだ。
美ヶ原への道は冬季通行止めとなるため、松本市内から約30分の美鈴湖の駐車場に車を置き、迎えのマイクロバスに乗って1時間程度でホテルに到着する。標高は2,034m。
ちょうど宿泊期間中に、信濃毎日新聞記者をされていた写真家・丸山祥司先生の写真教室があり、撮影場所や撮影テクニックなど多くのことを教えていただいた。

12日、前夜からの雪で霧氷が期待できたが、日の出前から快晴となり、富士山や八ヶ岳のシルエット、朝の光を浴びた霧氷がとても綺麗であった。
美ヶ原からは360度のパノラマが広がっており、百名山の半数近くを見ることができると聞いた。
快晴で、雪をいただいた御嶽山や穂高連峰、槍ヶ岳、浅間山など望む朝の時間は、かけがえのない時間であった。

 

 

 

 

冬の王ヶ頭ホテルは、売店奥にあるCafe2034の窓にできた「霜の華」も有名。ホテルのブログでも時々掲載されており、一度は見たいと思っていた。
前夜から氷点下10度を下回り、朝には綺麗に成長していた。この日は屋外から撮影した。

午前中は焼山方面で霧氷の撮影に。まだ、雪が積もっていない山の斜面に霧氷が美しい。

 

夕方、北アルプスに沈む夕日と板状節理の撮影のため、王ヶ鼻に向かった。

 

 

太陽以外ではシリウスに次いで明るい恒星カノープス。北半球では見るのが難しく、見られたら長寿・幸福が訪れるといわれている。
12月13日深夜、氷点下10度を下回るなか、南アルプスにかかる雲の上を通過するカノープスを発見し、来年が幸せな年になるように願って撮影した。

翌朝は曇り空だったが、なんとか日の出頃まで稜線が雲に隠れずにもってくれた。富士山のシルエットが美しい。

この朝は霧氷もなく早朝の景色も期待できないため、「霜の華」の撮影。
窓の外から入る光で輝く「霜の華」や偏光板や偏光レンズを使った「霜の華」の撮影を経験することができた。

「霜の華」の模様は日によって変わり、室内から撮影すると、外の自然光が透過して、さまざまな表情を現わす。
ブルーグレーは早朝の雲の色、赤みがかった色は朝焼けの色、右手の黒っぽいところは外の柱。
外光と「霜の華」をどう構図に織り込んでいくかが腕の見せ所だ。

窓の内側と外側に偏光板を取り付けると「霜の華」は色鮮やかで幻想的な姿を見せる。初めて見る私にとっては、衝撃的な自然の造形だった。

 

窓の内側に偏光板を取り付け、カメラにPLフィルターを装着して回転させると、角度によって表情がドンドンを変化していく。ただただ驚くばかり。

 

快晴になることが珍しい冬の美ヶ原高原だが、今回は天気に恵まれて、非常に多くのことを経験することができた有意義な撮影旅行であった。

谷岡 匠

谷岡 匠

大阪府箕面市在住

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