2月13〜16日に熊本駅をレンタカーで出発し、これまで行ったことがなかった神々の里・高千穂と阿蘇、天草を旅した。
当初の目論見は、翌日か翌々日の早朝の草千里ヶ浜の風景で、できれば雪が薄く積もってくれればと思っていたが、大変暖かい日が続いたうえ、天気予報ではだんだん曇りになるようなので、早朝を諦めて晴れているうちに阿蘇・草千里ヶ浜に向かった。
連休明けとはいえ、観光客が非常に多かったが、草紅葉の草千里ヶ浜を堪能することができた。
この日の宿泊は、高千穂の民宿「神楽の館」。ここには地元の神楽を行う舞台があり、囲炉裏で郷土料理や高千穂牛などをいただくことができる。ここで出していただいた酒は「かっぽ酒」といって、青竹の筒にお酒を入れて火で燗を付けたもの。お酒を注ぐ時にカポカポと音を立てるところから名前がついたそうだ。
夕食後、高千穂神社で夜神楽を拝見した。古くから、秋の実りへの感謝と翌年の豊穣を祈願し、地域の神楽宿で奉納されている国の重要無形民俗文化財である。
翌朝、朝食前に高千穂峡の撮影に向かう。
当然、お馴染みのボートも営業前なので出ておらず、真名井の滝も自然の姿を見せてくれる。
天岩戸神社に入ると、神社で飼われている長鳴鶏(東天紅)が出迎えてくれた。
鶏の鳴き声には、「太陽の神さまを呼ぶ力がある」と言われており、天岩戸神話では、天照大御神さまに出てきてもらうため長鳴鶏を鳴かせたと記されている。
天照大御神が天岩戸にお隠れになった際、八百萬の神々が集まり相談をされたという天安河原。一面に石が積まれており、神々しい不思議な空気と人々の様々な祈りが感じられる場所である。
高千穂神社や槵触(くしふる)神社などを参拝したあと、年甲斐もなくボートに乗ろうと改めて高千穂峡へ。シーズンオフとはいえボート乗り場の駐車場は一杯のため通行制限していたが、数分後に再挑戦しなんとか駐車してボートに乗ることができた。
この日は朝から曇り空だったが、このとき急に日が差してきて真名井の滝に虹がかかった。高千穂峡に日が入る僅かな時間帯に、ボートに乗っていなければ撮ることができない光景である。高千穂の神々がシャッターチャンスを与えてくださったのだろう。
翌日は、私が大好きな蛇蝎焼の焼物を求めて、かつて訪れた天草の「十朗窯」を訪れる予定をしていた。訪問まで時間があったので、天草の崎津教会を訪れた。
江戸時代禁教令以後、この地では弾圧を受けながらも240年間に渡って「潜伏キリシタン」として信仰が守られてきた歴史がある。
厚い雲に覆われていた教会の尖塔の上を鳥が舞っていた。
翌日天草からの帰路、長部田海床路に立ち寄った。
晴天の空と雲仙岳をバックに海のなかを電柱が立っている。8年ほど前に立ち寄ったときは数十年ぶりの猛吹雪で、うまく撮影できなかったことを今も悔やんでいる。